熊野筆宣言

我々熊野町の筆産業に携わる事業者からなる熊野筆事業協同組合(以下、当組合)は、熊野筆の歴史と先人の知恵や技術を受け継ぐ者として、高品質な製品の提供に取り組んで参りました。今後も消費者に安心してお使いいただける確かな品質の熊野筆®を提供し続けるため、技術の向上や後継者育成、ブランドイメージの維持・向上に取り組んでいくことを、ここに宣言します。

熊野筆ブランド品質維持の取組

当組合は、品質の維持・向上を促進し、一般消費者に安心して購入していただけるよう、「熊野筆」という冠の「団体商標権規程」を策定して適正な使用の徹底に取り組んでいます。

また、熊野筆製造事業者が熊野筆を表す統一ブランドマークを適正に使用し、一般消費者に安心して購入していただける商品の目印としての機能を維持するため、「熊野筆ブランドマーク使用規程」も別途策定しております。

当組合の熊野筆への思い

上記のような「団体商標権規程」「熊野筆ブランドマーク使用規程」を定めた背景には、「熊野筆」という商標の不正使用による、ブランドイメージ低下への懸念があります。海外製の安価な筆や模造品などが、「熊野筆」の名称で販売されているケースが時おり発見されるためです。

熊野筆には「穂首が熊野で製造されていること」「製造事業所が熊野町内で、外注先も町内および周辺地域であること」などの規程があり、それらを満たした商品以外が「熊野筆」と名乗ってはいけません。Kマーク証紙も、熊野筆の規程を満たした商品だけに貼ることができます。

「熊野筆なら安心だから」という期待と信頼を胸に選ばれた商品が、安価で粗悪な海外製の筆だったら、消費者の方はどれほど落胆されるでしょうか。熊野筆の品質への信頼も揺らぐかもしれません。

熊野の職人たちが江戸時代の末期から時間をかけて築いてきた信頼を守るため、私たちは不正使用を許しません。

不正使用に対する当組合の姿勢

当組合は、模造品や商標の不正使用などが行われていないか、随時調査を実施。熊野筆ブランドの維持に努めています。

不正があった場合、各規程で定められている「制裁」の対象となります。Kマークの入っていない不審な筆を見かけたり、購入した筆の品質に疑問を持ったりした方は、組合まで速やかにご連絡ください。